税理士がお伝えする決算期末間近でも活用できる3つの節税対策

所得税

豊橋の税理士 提中(だいなか)です。

本日は決算期末間近でも活用できる3つの節税策について解説していきます。

税金の支払いに頭を悩ませている方の参考にしていただければ幸いです。

①短期前払費用の特例を活用する

一つ目の節税策は、「短期前払費用の特例を活用する」です。

まずは前払費用の定義について説明します。

前払費用とは、一定の契約に基づき、継続的に役務の提供(サービス)を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の時においてまだ提供を受けていないサービスに対応するものをいいます。

次に具体例を用いて解説します。

貴社は3月決算法人です。
3月に、1年契約の保険契約を結び、1年分の保険料120(10×12月)を3月に一括で支払いました。

このとき当期の経費として計上できる保険料はいくらになるでしょうか。

厳密に会計処理を行うときには、当期に対応する3月分の保険料10(10×1月)だけが当期の費用として計上され、4月以降に対応する保険料については、翌期の費用を当期に前払いしているに過ぎないことから、前払費用という科目で貸借対照表に資産計上されます。つまり、当期の費用に計上することはできません。

しかし、一定の要件を満たす前払費用については、支出が完了した事業年度において全額費用計上することができます。

今回の例で言いますと、翌期に対応する11ヶ月を含む12か月分全額を当期の費用として計上することができるというわけです。

これが短期前払費用の特例制度です。

特例制度を適用するためには、下記の2つの要件を満たすことが求められます。

①支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものであること

1年以内に提供を受けられるサービスに係る前払費用だけが特例制度の対象となります。

先ほどの例で仮に2年分の保険料を前払いしたとします。

この場合には、1年以内に提供を受ける役務に該当しないため、短期前払費用の特例制度の対象外となり、原則的な会計処理が求められます。(=当期分だけ費用計上、翌期以降分は前払費用計上)

3月分+翌期の2月までの12ヶ月分を当期の費用として計上し、残りを前払費用に計上するような対応は認められないため注意が必要です。

②継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入していること

利益が出る事業年度だけ短期前払費用の特例を利用し、利益が出ない事業年度は短期前払費用の特例制度を利用しないといった対応はできません。

短期前払費用の特例を利用するなら、該当する前払費用にはすべて特例を利用して下さいという趣旨です。

②含み損のある棚卸資産、不動産、有価証券の除売却を決算期末までに行う

含み損(貸借対照表に計上されている簿価が時価を下回る)のある不動産・棚卸資産の除売却、有価証券の売却を行うことで、除却損・売却損が実現し、費用に計上することができます。

棚卸資産は、実際に売却された時点で仕入金額・製造原価が売上原価として費用に計上されることになり、売却されるまでは棚卸資産として貸借対照表に計上がされます。

そのため、無価値で売却見込が乏しい棚卸資産をいつまでも保有し続けると、いつまでたっても費用計上がされないことになります。

もったいない気はするものの、今後販売見込みが乏しい棚卸資産は売却することで節税ができます。

サービスの一環で安く売却してしまうのも一考であると思います。

③30万円未満の少額減価償却資産を購入し、事業年度内に使用を開始する

資本金1億円以下の中企業者等については、取得価額が30万円未満である少額減価償却資産を取得し、事業の用に供した場合には、その取得価額に相当する金額を費用計上することができます。

留意点としては次の4点が挙げられます。

①一時の損金処理ができる金額は一事業年度で最大300万円までになります。
②償却資産税の対象となるため、現物管理が必要となります。
③購入したものの未使用である場合には、貯蔵品計上が必要となります。購入し、かつ事業年度内に事業目的のために使用を開始する必要があります。
④法人税申告書において別表の作成が必要になります。

まとめ

本日は、決算期末間近でも実行可能な節税策を3つ紹介致しました。

節税のみを目的とした、不要不急な節税策の実行は、納税すること以上に現金を流出させることにつながり、本末転倒な結果を招くことにつながりますので注意しましょう。

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