豊橋の税理士 提中(だいなか)です。
本日の投稿により、ブログの投稿記事数が丁度50に到達しました。
アクセス数についてはまだまだこれからですが、ブログを始めた当初に比べると
少しずつ増えてきております。
「読者に価値ある情報を発信できるブログ」であること。
ブログを始めた頃の想いを忘れずこれからも定期的な更新を続けていきたいと思います。
さて、本日も合法でありながら、法人・使用人双方にとってメリットが大きい節税策について解説していきたいと思います。
出張旅費、社宅につぐ第三の節税の矢は、「人間ドック・ワクチン接種」の活用です。
これらの費用を法人で負担し、使用人の健康を守りつつ税金からも会社を守ろうというのが本日の
テーマとなります。
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【想定読者】
・福利厚生の一環で健康診断・人間ドックの法人負担を検討されている方
・既に検討済みながら、税務の観点から運用面に問題がないかを確認されたい方
人間ドック費用を法人で負担する
健康診断と人間ドックの違い
健康診断
事業者(使用者)は、常時使用する労働者(使用人)に対し、1年以内ごとに1回、定期的に、一般項目について医師による健康診断を行われなければならないとされています。
このように法律上義務付けられているのが人間ドックに該当しない一般の健康診断となります。
健康診断を受けさせることは使用者である法人の義務であるため、法人が診断費用を負担する場合には当然に経費計上が可能となります。
人間ドック
人間ドックも健康診断の一部ではありますが、法律上受けさせる義務は法人にはなく、通常は使用人の自由意思により使用人の自己負担により受診するものとなります。
壮年期、老年期にある人で、日常生活を支障なく送っている人を対象として、短期間に全身の総合的な健康診断を入院等によって行い、本人の健康状態を評価、把握し、その後の生活における健康面での指導を行う総合健康診断であり、目的は、自覚していない慢性疾患の早期発見、老化に伴う心身の低下の度合いを判定、健康保持の方針を確立することとされています。
一般の健康診断とは異なり、法人に受けさせる義務はないことから、適切なルールで運用しないままに
法人負担にしてしまうと給与課税されるリスクが高まる点が健康診断との大きな違いと言えます。
人間ドックの法人負担が税務上問題とならないための運用ルールとは
次の二つのルールを順守することが必要になります。
①経済的利益の額が著しく多額であると認められるものではないこと
「著しく高額」のラインがどこまでであるかの明確な線引きはされていません。
私見では数十万円もする人間ドックは税務上認められないものと考えられます。
例えばハイメディック(エクシブを運営するリゾートトラストの関係会社)が提供する人間ドックは50万円くらいするのですが、福利厚生費で経理処理していれば、まず税務調査で給与認定されることになります。
実際にハイメディックの人間ドックの費用は税務調査でも集中的に狙われているという話を耳にしたこともあります。
ちなみに大抵高額な人間ドックを利用するのは役員です。
役員に対する経済的利益が給与課税された場合には、①法人税上の必要経費にならない②役員個人にも所得税課税がされる③源泉徴収漏れとして不納付加算税というペナルティが課されることとなり、
最悪な結果を招きますので特に注意が必要です。
一般的な相場から大きく外れない病院での受診が自身の身を守ることにつながると肝に銘じて下さい。
特定の者だけを対象とするのではなく広く受診の機会が開かれていること
役員や特定の地位にある人だけを補助の対象としてしまうと給与課税の問題が生じます。
一定年齢以上の希望者はすべて人間ドックを受けることができ、受けた者のすべてを対象としてその費用を負担するような運用としていただくことが必要です。
使用人の配偶者の健康診断・人間ドック費用を法人で負担した場合の取り扱いについて
使用人の配偶者の健康診断・人間ドック費用を法人が負担したときはどうなるのでしょうか。
この場合は、使用人に経済的利益を与えたとみなされ、給与課税の対象となります。
健康診断は、労働安全衛生法に基づき、年に一度受診させる義務が法人にはあります。
人間ドックは、法人側に法律上受診させる義務はありませんが、健康診断と同様に一般的に実施されるようになってきていることから、役員や特定の使用人に限定せずに希望者全員が受診することができ、費用が通常必要と認められる範囲内であれば強いて課税しないこととされています。
しかし、使用者の配偶者に健康診断を受けさせる義務は法人にはありませんし、健康診断を受診
させる必要がなければ人間ドックはなおさらのことです。
そのため、本来は使用人が配偶者の費用を負担すべきところ、法人が使用人代わって負担をしてあげた
こととみなされ、給与課税がされるという結果となります。
インフルエンザのワクチン接種を法人で負担する
インフルエンザのワクチン接種費用についても、接種を希望する使用人全員の接種費用を法人が負担することとしている限りは、給与課税なく、接種費用全額を法人経費とすることができます。
これは従業員がおらず、代表取締役1人のみのマイクロ法人についても適用できる措置です。
ワクチン接種は医療費控除の対象とはならないので、個人で負担しても得することは何もございません。
法人経費で接種すれば3,000円~4,000円程度は経費計上ができ、その分法人の節税が図れます。
検討されると効果的かと思います。
何よりインフルエンザで苦しい思いはしたくないですからね。