専門家に頼らず自分で会社を設立する方法(会社概要決定)

法人設立

豊橋の税理士 提中です。
本日は専門家に頼らず自分で会社を設立する方法について解説していきます。

当然のことながら、司法書士をはじめとする専門家に設立を依頼すれば対応はスムーズです。
その反面コストがかかるのが最も大きなデメリット。
起業後は何かとお金が出ていくもの。極力手元にお金は残したいところですよね。
またコスト削減という直接的なメリットに加え、自分で設立した会社はそれだけ愛着がわきますし、
大事にできると思います。一人でやり遂げたということはこれからの荒波を乗り越えていく上での一つの大きな自信にもつながります。

今回の記事が自分で会社を作りたいと考えられている方のお力になれば幸いです。

定款及び申請書類の作成に必要となる事項を決める。

法務局で登記を行うことで会社の設立が完了しますが、その前段階として公証人から定款の認証を受ける必要があります。そのため、まずは定款に記載する事項を決めていくことになります。
主な記載事項とそのポイントをまとめると次の通りです。

①商号(会社名)
・覚えてもらいやすいかどうか
・流行に左右されず末永く使用できるかどうか
・類似する商号がないかどうか
 類似商号は法務局に直接出向いて確認する方法と、ネットで検索方法があります。ネットで検索する 
 際のリンク先を載せておきますので参考になさって下さい。
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/web/top/SC01WL01-ViewLoginShogoChosa.do

②本店所在地(住所)
 決め方は次の二つの方法があります。
 1、地番まで記載する方法(例:愛知県豊橋市花田三番町39番地1)
 2、最小行政区画(例:愛知県豊橋市)

本店所在地が変更になる場合、改めて登記が必要になります。2で登記しておけば同一市内での所在地の異動については登記の変更が不要となり、登記費用にかかる時間とコストが節約できます。
ただ、1の方法で登録している会社が大多数です。

③事業目的(事業内容)
設立後に行う事業だけでなく、今後行う可能性がある事業を記載しておく対応がベターです。
その理由は、定款に記載のない事業は原則行えないことになっているためです。
ただし、定款に記載のない事業を行ったとしてもペナルティーがかされることはありません。

④役員
以前は最低3名の取締役が必要でしたが、現在は取締役1名から設立が可能です。
取締役が1名の場合は、その方が自動的に代表取締役になります。
任期は株式譲渡制限会社(項目⑦を参照)であれば、最長10年の任期とできます。
任期が過ぎる都度、役員の登記が必要になりますので、役員が変わらず長期間継続する想定で
あれば、任期は最長の10年としておく対応が適切であると考えます。
任期途中で解任になる場合は、残りの任期分の損害賠償請求をされる可能性がありますので、
もめる可能性がある方を役員に据える場合には注意が必要です。

⑤資本金の額
1円から設立可能です。会社を設立すると登録免許税が課されます。
計算方法は資本金の額×7/1,000です。この計算結果が15万円に満たないときは15万円が登録免許税となります。
なお、資本金の額は謄本に記載がされますので、取引先が謄本を取得すれば先方で資本金の額を確認することが可能になります。取引を行うにあたり資本金の額を重視する先があればそのあたりを加味して額を決めることが重要です。

⑥事業年度、株主総会開催日


⑦株式譲渡承認機関
定款に株式譲渡制限規定を設けることで、株主が株式の譲渡を行う場合にはあらかじめ定めた機関で承認を得る必要があるような運用が取れるようになります。これにより予期せぬ個人や法人に自社株式が流れることを防止することができるようになります。承認機関としては、代表取締役、取締役会、株主総会になります。取締役会は取締役が3名必要ですので、まずは小さく法人を作るということであれば、代表取締役、株主総会になると思います。

⑧決算公告方法
決算公告とは、貸借対照表の要旨を外部に公開することを言い、どのように公告を行うかをあらかじめ定款に定めておくことが必要です。公告方法は次の3つがあります。

1、官報で公告
2、日刊新聞紙で公告
3、ホームページで公告

決算公告は義務付けられており、怠ると100万円以下の過料処分の対象となります。
建前はそうですが、ほぼほぼ中小企業は決算公告を行っていないの実情であり、過料が課されたという話は私が知る範囲ではございません。

国税庁の「令和3年度分会社標本調査」によると、株式会社は259万5,362社ある。 このうち、官報による決算公告が必要な企業数は217万9,325社と推計され、実際に官報で決算公告を確認できた4万214社から算出すると決算公告率はわずか1.8%にすぎない。

東京商工リサーチHPより

⑨発起人
会社の設立を企画して各種手続きを行い、資本金を出資する人のことであり、最低1名必要です。
一人で設立する場合には、代表取締役=発起人となることが多いです。

まとめ

以上が定款や申請書類を作成するにあたり、事前に決めておくべき内容となります。
最終的にはこれらの情報を定款・申請書類に落とし込む必要がありますのでなかなかに大変な作業となります。
しかし、手順に従って入力すれば、自動的に定款と申請書類を作成してくれるサービスが最近は出てきており、実は私もこれらのサービスを利用して会社を設立しました。
費用はかからず、サービス使用後も無理な営業は今のところ来ていません。
代表的なサイトを一つ載せておきますので興味のある方はリンク先を確認下さい。

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