豊橋の税理士 提中です。
法人の登記が完了するといよいよ事業活動が本格化します。
経費や給料の支払い、売上の入金のため、早めに法人口座の開設が必要になります。
本日は法人口座を開設する際の金融機関選定のポイント及び開設手続きについて解説します。
金融機関選定のポイント
金融機関には大別すると二つのタイプがあります。
1つは、実店舗を持つ金融機関(メガバンク、地銀、信用金庫等)
もう1つは、実店舗を持たないネット銀行(GMOあおぞらネット銀行等)です。
銀行口座を多く作り過ぎると管理が複雑となるためお勧めできません。
ただし、実店舗を持つ金融機関とネット銀行とでそれぞれ1つずつ口座を作ることはお勧めします。
その理由は、それぞれのタイプの口座を持つことで両者のメリットを享受できるためです。
実店舗で口座を作るメリット
① ネット銀行よりも知名度が高いため取引先に対する信用が高まる
② 口座開設で関係性ができ上がるのでビジネス上の悩み相談がしやすくなる
③ ビジネスに役立つ情報を頂けることがある
④ 実店舗が主催する会に参加することで人脈が広がる(可能性がある)
⑤ 労働保険料や社会保険料の口座振替が可能(ネット銀行は非対応であることが多い)
口座振替可能な金融機関
特に⑤のメリットが大きいです。
口座振替の登録ができないと毎月年金事務所から送られてくる納付書を使用して納付するため大変面
倒なことになります。
電子納付(Pay-easy)でも納付できるので、上記一覧に記載がない金融機関は電子納付(Pay-easy)に対応しているかを確認されると良いかと思います。
※GMOあおぞらネット銀行はペイジーに対応していますのでスマホ一つで社会保険料等の納付が可能です。また、法人税等をはじめとした税金のダイレクト納付にも対応しています。
https://pay-easy.jp/news/2023/20230403-gmoaozora.html
ネット銀行で口座を作るメリット
① 開設のために必要となる資料が少なく、スマホ一つで開設ができる。
② 各種手数料が安価(限度内までは無料であることも。実店舗を持たないことによる強みです。)
③ インターネットバンキング(以下、IB)の利用料が無料であることが多い。
(実店舗は有料であることが多いです。)
④ IBを利用することで店舗に行くことなくすべての手続きを終えられる→時間の節約につながる。
⑤ IBと会計システムとを連動させることで会計システムへの入力の効率化が図れる。
法人口座開設の具体的手続き
実店舗で口座を開設する場合の手続き
① 口座を開設する金融機関に次のものを持って訪問
・登録する銀行印
・登記簿謄本のコピー
・定款のコピー
・法人番号指定通知書のコピー
・本人確認できる証明書(運転免許証、マイナンバーカード)
※私が口座を作った金融機関では上記のもので口座開設ができました。
金融機関により準備する資料に多少の差異があるかもしれません。念のためHPで確認下さい。
② 窓口で必要書類への記入を行い手続き完了です。
(会社名と代表者名を書く書類が多いため、法人名・住所・代表者名のゴム印があると便利です。)
審査はなく、その場で確認しながら書類に記入ができたので手続きはスムーズに終わりました。
午前中に訪問し当日の午後には通帳を受け取ることができたので想像以上に簡単かつスピーディーでした。
ネット銀行で口座を開設する場合の手続き
ネット銀行により手続きは異なりますがおおよそ次のような手順で手続きが完結します。
審査を経て、最短翌日には口座が利用できるようになり、キャッシュカードは後日郵送されます。
ちなみに私が口座を作ったSBIは通帳レスでした。(ネットで確認できるので弊害はなしです。)
① サイトの案内に従い会社情報等の情報を入力
② スマホで代表者本人と運転免許証の写真を撮影しアップロード。
まとめ
以上、私の実際の体験を交えつつ、法人口座の開設のポイントと手続きについて解説しました。
皆さんの参考になると幸いです。
最後に、開設が済んだら個人口座に振り込んだ出資金を振替える対応も忘れないように注意して下さい。