私の税理士試験合格体験記。通信教育で税理士試験に受かるためのノウハウ

お役立ち情報

今年も暑い夏が終わりました。
甲子園のことではありません。税理士試験のことです。今年は8月8日から10日の日程で開催されました。

受験生の皆さん、本当にお疲れさまでした。
プレッシャーから解放され、今はリラックスした気持ちでおられることと思います。
来年の試験に向けて、今は英気を十分に養って下さい。

現在の受験生と、これから税理士を目指そうと考えている将来の受験生に向け、かなり昔のことではありますが私の受験体験談を記します。参考になることがあれば幸いです。

受験歴

私の受験歴をまとめると次の通りです。税理士試験の合格まで7年かかっています。
こうして振り返ってみると、1年に1科目ずつコツコツ合格を積み上げてきたことが見て取れます。

当時、仕事以外のすべての時間を税理士試験に充てておりました。
合格できたから過去を美談にできるものの、途中で諦めていたら壮大な人生の浪費であったなと感じずにはいられません。

2008年(1年目)・・・消費税法(受験せず)、所得税法(×)
2009年(2年目)・・・簿記論(〇)、財務諸表論(×)
2010年(3年目)・・・財務諸表論(〇)、消費税法(×)
2011年(4年目)・・・消費税法(×)
2012年(5年目)・・・所得税法(×)、消費税法(〇)
2013年(6年目)・・・所得税法(〇)、相続税法(×)
2014年(7年目)・・・相続税法(〇)

私が税理士を目指した理由

プロフィールでも書いた通り、私はサラリーマンではなく独立自営で働く生き方をしたいと考えていました。
自営で働く両親の姿を幼い頃から見てきたことと、自身の人生の舵取りは自分でしたいという考えが心の奥底にあったためです。
そのため、独立するための知識と経験が得られそうな業界(商社・金融)を中心に就職活動を行っていました。

大学4年の4月で就職活動は無事終えたものの、最終的な私の就職先はメーカーでした。
私は内向的な性格をしているので、ガツガツした人が多い商社・金融業界は受けがよくなかったのでしょう。

メーカーでの勤務を経ての独立は難しい。でもメーカーだとある程度仕事とプライベートの調整はつきやすいのではないかとの予感がありました。
高校時代に日商簿記1級を取得してそのままになっていることも心のどこかで引っかかるものがありました。
そんなことから税理士を目指すことに決めたのでした。
大学4年の9月のことです。

通信教育で試験に合格するためのノウハウ

専門学校選び

高校時代、簿記を勉強していたときに使用していた教材が大原製のものでした。
そのため、迷うことなく大原で税理士を目指すことを決断しました。

勉強を開始した2007年9月から大学を卒業する2008年3月までは教室通学し、社会人になってからは
近くに教室がなかったことから通信教育で勉強を続けてきました。

教室通学できる環境があるなら教室通学が理想ではありますが、通信教育であっても愚直に取り組めば
合格は十分可能です。
通信教育の場合、ウェブ通信、DVD通信、資料通信の3つがありますがウェブ通信がベストです。
スマホから視聴ができますし、早送り機能を使用することで効率よく学習ができるためです。

当時、大原には3年5科目パックと呼ばれるお得なコースがありました。
当時60万円くらいであったと記憶しています。

ネットで調べてみたところ、現在はそのようなパックは大原には存在しないようです。
かろうじて簿記論と財務諸表論をセットにしたパックは存在しているようですが40万円程度と非常に高額でした。
インフレの波がこのような場所にも波及したのだと隔世の感を感じずにはいられませんでした。

反面、現在は通信教育に特化した学校が台頭してきており受験生の選択肢が増えたことは喜ばしいことであると思います。
税法科目についての実績はこれからといったところでありますが、簿財に関しては合格者の声が多く掲載されており、簿財は老舗の有名専門学校を使わなくても合格レベルに持っていけそうです。

大原の簿財パックが40万円、スタディング税理士口座の簿財パックが6万円くらいからであることを考えると、まずはスタディングで簿財の学習をはじめ、税理士試験が自分に合うかどうかを見極めることは良い判断であると考えます。

科目の選択

一般的には初年度は簿記論と財務諸表論を選択することが多いかと思います。
私は時間の確保がしやすい大学生のうちに先に税法の学習を進めた方が有利なのではないかと考え、
あえて初年度に所得税法と消費税法の2科目を選択しました。
しかし、税法科目受験生のほとんどは簿財経験者であるため受験生の層は半端なく厚く大変苦労しました。そして当然のごとく不合格となりました。
奇をてらわず1年目は無難に簿財から始めるのがベターだと思います。

その他の科目選択の方針としては、ある程度実務を意識して科目を選択することが良いと思います。
合格科目によって就職への有利不利はないですが、やはり勉強した科目については実務でも取っつきやすいためです。

ミニ税法で勉強しやすく、実務でも必ず触れることになる消費税法は試験科目の一つに加えれば良いと思います。

所得税法と法人税法については、可能なら法人税法を選択するのが良いと思います。
また、相続税法も高齢化社会で今後相続が多く発生することから時流にあった税目です。

ただ、実務経験を積めば勉強していない税目でも詳しくなれるのでそこまで心配する必要はないと思います。

理論サブノートはケチらず購入する

専門学校の教材の一つとして理論集が配布されるかと思います。
見開きの左ページに理論本文が、右ページに理論の解説で構成されている教材です。(大原の場合)
その理論集の本文のみを持ち運びしやすいようにコンパクトにまとめたものが理論サブノートとなります。
この理論サブノートですがケチらずに必ず買いましょう。
所得税法を勉強していたとき、私は理論集があれば理論サブノートは不要と考えていました。
理論集があれば理論本文は読めるからです。
しかし、理論集はとても分厚く持ち運びに適していません。
理論学習で最も重要になるのはどれだけ理論を読み込んだかです。
常に理論本文を持ち運び、隙間時間で目を通すことは必須の対応です。
そんなときに役立つのが理論サブノートというわけです。

理論サブノート

復習が不十分でも講義をためない

大原の通信教育の場合、毎回講義の最初に前回学習項目のミニテストがありました。
ミニテストは計算問題と理論問題から構成されており、前回学んだ理論を暗記していないとミニテスト
を解くことはできない問題になっていました。
人間の心理として、理論をしっかりと暗記した上でミニテストを時間がなかった私は

計算問題集は3回連続正解するまで繰り返し解く

税理士試験では他の受験生が得点する項目をいかに落とさずに自分も得点できるかが合否の分かれ目となります。
その意味で、基礎的な計算問題集を繰り返し解くことが重要です。
私は連続して3回間違えずに解くことができれば、その問題を自分のものにしたとみなして次の範囲に手を広げるようにしていました。

モチベーションを維持するために

教室通学の場合、同じクラスに切磋琢磨しあえるクラスメイトがいます。
定期的に行われるテストでも上位者の表が貼りだされますのでそれを見てモチベーションを維持することができます。

しかし通信教育ではそうはいきません。孤独な立場に置かれがちです。
そんなときは、ブログやツイッターで他の受験生をフォローすると良いと思います。
私が受験勉強をしていたときはアメブロ全盛期でしたので、勉強内容や勉強時間を公開しているブロガー受験生をフォローし、その方の進捗状況を常にチェックして自分のモチベーションの維持に繋げていました。地味に有効な手段であると思います。